AQUOSスマートフォンを充電していると、突然「低速充電」や「充電が遅い」といった表示が出て困った経験はありませんか?
急いでいる時に限って充電速度が遅くなると、本当にストレスを感じますよね。実は、AQUOSの低速充電問題は、多くのユーザーが経験する一般的なトラブルです。
本記事では、AQUOS端末で低速充電が発生する原因を詳しく解説し、急速充電に戻すための9つの具体的な解決策をご紹介します。多くの場合、充電器やケーブルの交換、設定の見直し、端末のメンテナンスなど、自分で対処できる方法で問題を解決できる可能性があります。
記事の前半では低速充電が発生する仕組みと主な原因を説明し、後半では実践的な対処法を順番に解説していきます。それぞれの対処法は難易度順に並べていますので、簡単なものから順に試していただくことを推奨いたします。
本記事で紹介する対処法は、一般的なAQUOS端末を想定した内容です。機種やAndroidバージョンによって設定項目の名称や手順が異なる場合があります。具体的な操作方法や仕様については、お使いの端末の取扱説明書、またはシャープ公式サポートサイトをご確認ください。
AQUOSの低速充電とは?急速充電との違い

AQUOSスマートフォンには、充電状態を監視して適切な充電速度を制御する機能が搭載されています。この機能により、充電時に「低速充電中」「充電速度が遅くなっています」といった通知が表示されることがあります。
低速充電と急速充電の違いを理解することで、問題の原因を特定しやすくなります。
低速充電が表示される仕組み
低速充電は、端末が何らかの理由で通常よりも少ない電力しか受け取れていない状態を指します。
AQUOSは充電中の電流値や電圧を常に監視しており、一定の基準値を下回ると自動的に低速充電の警告を表示します。この通知は、ユーザーに充電環境の問題を知らせるための安全機能の一つです。
低速充電モードに入る主な要因として、充電器の出力不足、ケーブルの劣化、端末側の温度上昇、バッテリー保護機能の作動などが挙げられます。
急速充電と通常充電の充電速度の違い
充電方式によって、バッテリーが満充電になるまでの時間は大きく異なります。
| 充電方式 | 出力目安 | 充電時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 急速充電 | 18W以上 | 約1~2時間 | 短時間で大量の充電が可能。発熱に注意 |
| 通常充電 | 5~10W程度 | 約3~4時間 | 標準的な充電速度。バランスが良い |
| 低速充電 | 5W未満 | 5時間以上 | 充電に長時間かかる。何らかの問題がある状態 |
※上記の数値は目安であり、機種やバッテリー容量によって異なります。
急速充電は、対応した充電器とケーブルを使用することで、短時間で効率的に充電できる技術です。最近のAQUOS端末の多くは、USB Power DeliveryやQuick Chargeなどの急速充電規格に対応していますが、対応している規格や最大出力は機種により異なります。
一方、低速充電状態では、本来の性能を発揮できず、充電完了までに通常の2倍以上の時間がかかることもあります。
AQUOSが低速充電になる主な原因
低速充電の問題を解決するには、まず原因を特定することが重要です。原因は大きく分けて、充電器具の問題、端末の設定、バッテリーの状態の3つに分類できます。
ケーブルや充電器の問題
充電関連のアクセサリーは、低速充電の最も一般的な原因です。
充電器の出力不足が問題となるケースが多く見られます。特に古い充電器や、他の機器用の充電器を流用している場合、AQUOSの急速充電に必要な電力を供給できない可能性があります。
USBケーブルの劣化や損傷も見逃せない要因です。ケーブル内部の断線、コネクタ部分の接触不良、規格に合わないケーブルの使用などが、充電速度の低下を引き起こします。特にケーブルは日常的に抜き差しや曲げ伸ばしを繰り返すため、見た目では問題がなくても内部で断線していることがあります。
また、充電端子の汚れや異物混入も充電速度に影響します。ポケットやカバンの中で蓄積したホコリや糸くずが端子に詰まると、電気的な接触が悪くなり低速充電の原因となります。
端末側の設定や機能の影響
AQUOS端末には、バッテリーの寿命を延ばすための様々な保護機能が搭載されており、これらの機能が低速充電の原因になることがあります。
バッテリー保護モードや充電制限機能が有効になっていると、意図的に充電速度が制限される場合があります。一部のAQUOSモデルでは、バッテリーの劣化を防ぐために充電を特定の割合で停止したり、充電速度を落としたりする設定が可能です。ただし、この機能の有無や名称は機種によって異なります。
省電力モードやバッテリーセーバーなどの節電機能を有効にしている場合も、充電速度が制限されることがあります。これらの機能は、端末の消費電力を抑える代わりに、充電時の受け入れ電力も制限する仕様になっている場合があります。
さらに、バックグラウンドで動作する多数のアプリケーションが、充電中も電力を消費し続けることで、実質的な充電速度が低下するケースもあります。
バッテリーの状態や温度の影響
バッテリーの温度は充電速度に大きな影響を与えます。
AQUOSは安全性を確保するため、バッテリー温度が一定の範囲を超えると自動的に充電速度を落とす仕組みを備えています。高温環境での充電、長時間の連続使用直後の充電、直射日光が当たる場所での充電などは、バッテリー温度を上昇させ、低速充電の原因となります。
逆に極端に低い温度環境でも、リチウムイオンバッテリーの化学反応が鈍くなり、充電速度が低下します。冬場の屋外や冷房の効いた部屋での充電には注意が必要です。
また、バッテリーの経年劣化も無視できない要因です。使用年数が長い端末では、バッテリーの受け入れ能力そのものが低下しており、新品時と同じ速度で充電できなくなることがあります。
AQUOS低速充電を解除する9つの解決策

ここからは、低速充電を解消して急速充電に戻すための具体的な対処法を、難易度の低い順にご紹介します。最初の対処法から順番に試していくことが推奨されます。
【対処法1】純正または認証済み充電器・ケーブルの使用
最も効果的で確実な対処法は、適切な充電器とケーブルを使用することです。
シャープ純正のACアダプタとUSBケーブル、または急速充電規格に対応した認証品の使用をご検討ください。AQUOS端末が対応している急速充電規格(USB Power DeliveryやQuick Chargeなど)を確認し、その規格に対応した製品を選ぶことが重要です。
充電器を選ぶ際は、出力ワット数を確認してください。AQUOS端末の多くでは、18W以上の出力を持つ充電器が推奨される場合がありますが、機種によって推奨される出力は異なります。パッケージや製品仕様に記載されている「5V/3A」「9V/2A」などの表記を確認しましょう。
ケーブルについては、USB Type-Cケーブルの場合、規格に準拠した高品質な製品を選ぶことが大切です。安価な非認証品は、必要な電力を伝送できない場合があります。
【対処法2】充電端子の清掃とメンテナンス
充電端子の汚れは、見落としがちですが充電速度に大きく影響する要素です。
端末の充電ポートとケーブルのコネクタ部分を定期的に清掃することで、多くの低速充電問題を解決できる場合があります。
清掃方法は以下の手順で行います。まず端末の電源を切り、充電ケーブルを取り外します。次に、乾いた綿棒や専用のクリーニングツールを使って、充電ポート内のホコリや糸くずを優しく取り除きます。エアダスターを使用する場合は、短く吹き付けて異物を飛ばします。
金属ピンや先の尖ったものは使用しないでください。端子を傷つけると、かえって充電できなくなる恐れがあります。また、水や洗浄液の使用も避け、必ず乾いた状態で清掃を行いましょう。
ケーブル側のコネクタも同様に、乾いた布で拭いて汚れを落とします。定期的なメンテナンスにより、安定した充電を維持できる可能性があります。
【対処法3】バッテリー保護機能・充電制限設定の確認
AQUOS端末に搭載されているバッテリー関連の設定が、低速充電の原因になっている可能性があります。
設定アプリからバッテリー保護機能や充電制限の状態を確認し、必要に応じて設定変更をご検討ください。
確認手順は以下の通りです。「設定」アプリを開き、「バッテリー」または「電池」の項目を選択します。機種によっては「AQUOS便利機能」「インテリジェントチャージ」「バッテリーケア」などの名称で、充電関連の設定が用意されています。
「充電制御」「バッテリーケア」「長持ち充電」などの項目があれば、それらの設定内容を確認します。充電上限が設定されている場合や、充電速度を制限するモードが有効になっている場合は、一時的に無効化して充電速度の変化を確認することができます。
ただし、これらの機能はバッテリー寿命を延ばすために設計されているため、長期的にはバッテリーの健康維持に役立つ場合があります。急速充電が必要な時だけ無効化し、通常時は有効にしておくことが推奨される場合があります。
※機種やOSバージョンによって、これらの機能が搭載されていない場合や、設定項目の名称が異なる場合があります。
【対処法4】バックグラウンドアプリの終了と端末再起動
多数のアプリが同時に動作していると、充電中も電力を消費し続け、実質的な充電速度が低下します。
バックグラウンドで動作しているアプリを終了し、端末を再起動することで、充電速度が改善される場合があります。
まず、画面下部から上にスワイプして(または画面下のボタンを押して)、最近使用したアプリの一覧を表示します。不要なアプリを左右にスワイプして終了させます。特に動画ストリーミング、ゲーム、位置情報を使用するアプリなどは、バックグラウンドでも電力を多く消費する傾向があります。
次に端末を再起動します。電源ボタンを長押しして「再起動」を選択するか、一度電源を切ってから再度起動します。再起動により、システムの一時的な不具合が解消され、充電制御が正常に戻ることがあります。
充電中は可能な限り端末の使用を控え、画面をオフにしておくと、より効率的に充電できる可能性があります。
【対処法5】ソフトウェアアップデートの実施
AQUOSのシステムソフトウェアには、充電制御に関するプログラムが含まれています。
システムアップデートを適用することで、充電に関する不具合が修正される可能性があります。
アップデートの確認方法は、「設定」アプリを開き、「システム」→「詳細設定」→「システムアップデート」の順に進みます。利用可能なアップデートがある場合は、画面の指示に従ってインストールを実行してください。
アップデート中は十分なバッテリー残量(50%以上が推奨される場合があります)とWi-Fi接続が必要です。アップデート完了後は端末が自動的に再起動され、新しいシステムが適用されます。
メーカーが公開するアップデート情報には、充電関連の改善が含まれていることがあります。シャープの公式サポートサイトで、お使いの機種のアップデート履歴を確認すると、どのような改善が行われたかを知ることができます。
※機種によって、アップデートの提供状況やメニュー名称は異なります。
【対処法6】セーフモードでの動作確認
インストールしたサードパーティアプリが原因で、充電速度が低下している可能性があります。
セーフモードで起動することで、問題の原因がアプリにあるかどうかを切り分けることができます。
セーフモードでの起動方法は機種によって異なりますが、一般的な手順は以下の通りです。電源ボタンを長押しして電源メニューを表示し、「電源を切る」のアイコンを長押しします。「セーフモードで再起動しますか?」というメッセージが表示されたら「OK」をタップします。
セーフモード中は、プリインストールアプリのみが動作し、ユーザーがインストールしたアプリは無効化されます。画面の隅に「セーフモード」と表示されていることを確認してください。
この状態で充電を行い、充電速度が正常に戻るかを確認します。セーフモードで問題が解消される場合は、最近インストールしたアプリが原因と考えられます。通常モードに戻してから、疑わしいアプリのアンインストールをご検討ください。
通常モードに戻るには、端末を再起動するだけで実行できます。
※セーフモードの起動方法は機種によって異なる場合があります。詳細はお使いの機種の取扱説明書をご確認ください。
【対処法7】端末温度の管理と冷却
バッテリーの温度上昇は、低速充電の一般的な原因の一つです。
充電環境を見直し、端末の温度を適切に管理することで、充電速度を改善できる場合があります。
高温環境を避けるために、以下の点に注意が必要です。直射日光が当たる場所での充電は避け、風通しの良い涼しい場所で充電を行います。充電中はスマホケースやカバーを外すことで、放熱性を高めることができます。
ベッドや布団の上など、熱がこもりやすい場所での充電も避けてください。端末の下に熱がこもると、安全機構が働いて充電速度が制限されます。
すでに端末が熱くなっている場合は、一旦充電を中止し、端末を涼しい場所に置いて温度が下がるのを待ちます。急激に冷やすために冷蔵庫に入れるなどの行為は、結露による故障の原因となるため絶対に行わないでください。
適切な温度範囲(一般的に0〜35度程度とされています)で充電することで、最大の充電速度を維持できる可能性があります。
【対処法8】充電モード・省電力設定の見直し
省電力モードやバッテリーセーバーなどの節電機能が、充電速度に影響を与えることがあります。
これらの設定を一時的に無効化することで、充電速度が改善される場合があります。
設定の確認方法は、「設定」アプリから「バッテリー」または「電池」を開き、「省電力モード」「バッテリーセーバー」などの項目を探します。これらの機能が有効になっている場合は、一時的にオフにしてから充電を試すことができます。
一部のAQUOS機種では、「充電中の動作」に関する設定項目がある場合があります。ここで充電中の端末の動作を制限する設定がされていないか確認してください。
また、「データ使用量」や「通信」の設定で、バックグラウンドデータが制限されていると、充電制御にも影響が出る可能性があります。設定を見直して、不要な制限がかかっていないか確認してください。
充電が完了したら、バッテリー節約のために再び省電力設定を有効にすることが推奨される場合があります。
※機種によって、搭載されている機能や設定項目の名称は異なります。
【対処法9】初期化または修理サポートへの相談
これまでの対処法を全て試しても改善しない場合は、より根本的な対応が必要かもしれません。
データのバックアップを取った上で端末を初期化するか、メーカーサポートに相談することをご検討ください。
初期化を行う前に、重要なデータは必ずバックアップを取ってください。写真、連絡先、アプリデータなどをGoogleアカウントやクラウドサービスに保存します。
初期化の手順は、「設定」→「システム」→「リセットオプション」→「すべてのデータを消去(出荷時リセット)」の順に進みます。初期化後、端末は購入時の状態に戻ります。
初期化しても問題が解決しない場合、またはバッテリーの劣化が著しい場合は、ハードウェアの問題が考えられます。シャープの公式サポートセンターやキャリアショップに相談し、バッテリー交換や修理をご検討ください。
特に購入から2年以上経過している端末では、バッテリーの経年劣化により充電速度が低下することは自然な現象です。専門家の診断を受けることで、最適な対応方法が見つかる可能性があります。
※初期化やメニュー項目の名称は機種によって異なる場合があります。
低速充電を予防するための日常的な対策

低速充電の問題を解決した後は、再発を防ぐための習慣を身につけることが大切です。
充電環境の最適化
日頃から適切な充電環境を整えることで、低速充電のリスクを減らせる場合があります。
認証済みの充電器とケーブルを使用し、複数の充電器を使い回す場合も、それぞれが適切な出力を持つものかを確認しましょう。安価な非認証品は、長期的に見ると端末やバッテリーにダメージを与える可能性があります。
充電端子の清掃を月に一度程度の頻度で行い、端子の状態を良好に保ちます。ホコリやゴミの蓄積を防ぐことで、安定した充電を維持できる可能性があります。
また、充電場所にも気を配りましょう。高温多湿の場所、直射日光が当たる場所、通気性の悪い場所での充電は避けてください。安定した室温環境で充電することが理想的です。
バッテリー寿命を延ばす充電習慣
適切な充電習慣は、バッテリーの長寿命化だけでなく、安定した充電速度の維持にもつながる場合があります。
バッテリー残量が極端に少なくなる前に充電を開始することが推奨される場合があります。一般的に、20〜30%程度で充電を始めると、バッテリーへの負担が少なくなるとされています。
また、100%まで満充電にする必要がない場合は、80〜90%程度で充電を止めることも、バッテリーの劣化を抑える方法として知られています。前述のバッテリー保護機能を活用することが有効な場合があります。
就寝中の長時間充電は、現代のスマートフォンでは安全機構により問題ないとされていますが、必要な分だけ充電する習慣をつけることが、バッテリーにとってより適切な使い方になる可能性があります。
まとめ
AQUOSの低速充電問題は、適切な対処法を順番に試すことで、多くの場合解決できる可能性があります。
本記事でご紹介した9つの解決策をまとめると、以下の通りです。
- 純正または認証済み充電器・ケーブルの使用
- 充電端子の清掃とメンテナンス
- バッテリー保護機能・充電制限設定の確認
- バックグラウンドアプリの終了と端末再起動
- ソフトウェアアップデートの実施
- セーフモードでの動作確認
- 端末温度の管理と冷却
- 充電モード・省電力設定の見直し
- 初期化または修理サポートへの相談
最も効果的なのは、適切な充電器とケーブルを使用すること、そして端末の温度管理と定期的なメンテナンスです。これらの基本的な対策だけで、多くの低速充電問題は解消される可能性があります。
それでも改善しない場合は、システムの設定やソフトウェアの問題を疑い、段階的に対処していくことが推奨されます。最終的には、バッテリーの経年劣化や端末の故障が原因の可能性もあるため、専門家への相談もご検討ください。
日頃から適切な充電習慣を心がけることで、低速充電の予防だけでなく、バッテリーの長寿命化にもつながる場合があります。快適なAQUOSライフを送るために、ぜひ本記事の対処法を実践していただければと思います。
本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものです。AQUOS端末は機種やOSバージョンによって機能や設定が異なります。具体的な操作方法や対処法については、お使いの端末の取扱説明書、シャープ公式サポートサイト、またはキャリアのサポート窓口でご確認ください。本記事の内容を実行した結果について、当サイトは一切の責任を負いかねます。

