「自分のスマホ、まだアップデートできるのかな?」そんな不安を感じたことはありませんか。
実は、Androidスマートフォンにはアップデート対象外になる時期があり、知らずに使い続けるとセキュリティリスクが高まる可能性があります。
この記事では、Androidバージョンアップができなくなる理由や、対象外機種の見分け方、そして使い続ける際のリスクと具体的な対処法まで、わかりやすく解説します。
あなたのスマホが安全に使えるかどうか、一緒に確認していきましょう。
Androidバージョンアップとは?基本的な仕組みを理解しよう

Androidのバージョンアップとは、スマートフォンの基本ソフトウェアを新しいバージョンに更新することを指します。この更新により、セキュリティが強化され、新機能が追加され、不具合が修正されます。
例えば、Android 13からAndroid 14へのアップデートでは、プライバシー機能の強化やバッテリー管理の改善など、さまざまな改良が加えられています。これらのアップデートは、スマートフォンを安全かつ快適に使うために欠かせないものです。
しかし、すべてのAndroidスマートフォンが永続的にアップデートされるわけではありません。発売から一定期間が経過すると、メーカーからのアップデート提供が終了します。
OSアップデートの種類と違い
Androidのアップデートには、大きく分けて2つの種類があります。
メジャーアップデートは、Android 13からAndroid 14のように、バージョン番号が大きく変わる更新です。新機能の追加やデザインの変更など、大規模な改良が含まれます。
一方、セキュリティアップデートは、同じバージョン内で行われる定期的な更新で、主にセキュリティの脆弱性を修正します。毎月または数ヶ月ごとに提供され、スマートフォンの安全性を保つために最も重要なアップデートです。
この2つのアップデートは提供期間が異なることが多く、メジャーアップデートが終了した後も、しばらくの間はセキュリティアップデートが継続されることがあります。
メーカーによるアップデート提供期間の違い
Androidスマートフォンのアップデート提供期間は、メーカーによって大きく異なるという特徴があります。
Google Pixelシリーズの最新機種では、最大7年間のOSアップデートとセキュリティアップデートが保証されています。Samsung Galaxy S24シリーズも同様に7年間のサポートを提供しており、長期間安心して使えるモデルとなっています。
一方、日本メーカーの多くは、メジャーアップデート2回、セキュリティアップデート約2~3年という比較的短めのサポート期間が一般的です。この違いは、購入時に確認しておくべき重要なポイントとなります。
| メーカー | メジャーアップデート | セキュリティアップデート |
|---|---|---|
| Google Pixel(8以降) | 最大7年 | 最大7年 |
| Samsung(S24シリーズ) | 7年 | 7年 |
| 日本メーカー(多くの場合) | 2回程度 | 2~3年程度 |
Androidアップデート対象外になる主な理由
なぜ一部のAndroidスマートフォンがアップデート対象外になるのでしょうか。その理由を詳しく見ていきましょう。
端末の発売年数が経過している
最も一般的な理由は、端末の発売からの年数です。
Androidスマートフォンは、発売から一定期間が経過すると、メーカーによるアップデート提供が終了します。これは開発コストや検証作業の負担、新機種への注力などが背景にあります。
一般的に、発売から2~3年経過した機種では、メジャーアップデートが終了していることが多く、セキュリティアップデートも段階的に終了していきます。現在の目安として、2020年以前に発売された機種の多くは、すでにアップデート対象外となっている可能性が高いです。
Google自身も、Android OSのリリースから約3年半後を目安に、そのバージョンへのセキュリティパッチの提供を終了する方針を取っています。
ハードウェアのスペック不足
新しいバージョンのAndroid OSは、より高い処理能力やメモリ容量を必要とすることがあります。
古い機種では、最新のOSを動作させるための十分なハードウェア性能がない場合があります。無理にアップデートすると、動作が極端に遅くなったり、バッテリーの消耗が激しくなったりする可能性があるため、メーカー側が対応を見送ることがあります。
特に、発売時にエントリーモデルとして位置づけられていた機種は、ハードウェアスペックの制約により、比較的早くアップデート対象外になる傾向があります。
メーカーのサポート終了
Androidスマートフォンのアップデートは、Google が開発したOSを各メーカーがカスタマイズして提供する仕組みです。
そのため、メーカーの経営方針やサポート体制によってアップデート期間が左右されます。メーカーは新機種の開発や販売に注力するため、古い機種へのサポートを段階的に縮小していきます。
また、メーカーごとにアップデートの優先順位が異なり、フラッグシップモデル(高級機種)は長期間サポートされる一方、エントリーモデルは比較的早くサポートが終了する傾向があります。
あなたのスマホは大丈夫?更新できない機種の見分け方

自分のスマートフォンがまだアップデート対象かどうか、確認する方法を見ていきましょう。
設定画面から確認する方法
最も簡単な確認方法は、スマートフォンの設定画面から直接チェックすることです。
以下の手順で確認できます:
- 「設定」アプリを開く
- 「システム」または「端末情報」をタップ
- 「システムアップデート」または「ソフトウェア更新」を選択
- 「アップデートを確認」をタップ
この画面で「お使いのシステムは最新の状態です」と表示されても、それが本当に最新バージョンかどうかは別途確認が必要です。
Androidバージョンとセキュリティパッチレベルも同じ画面で確認できます。セキュリティパッチレベルの日付が数ヶ月以上前の日付になっている場合は、すでにアップデート提供が終了している可能性が高いです。
メーカー公式サイトで調べる方法
より確実な方法は、メーカーの公式サイトでアップデート情報を確認することです。
多くのメーカーは、公式サイトで機種別のアップデート提供状況や今後の予定を公開しています。自分の機種名とメーカー名で検索し、「アップデート情報」や「サポート情報」のページを確認しましょう。
発売時期から判断する目安
おおよその目安として、発売時期から判断することもできます。
一般的な指標として:
- 発売から4年以上経過:ほとんどの機種でアップデート終了
- 発売から3~4年:セキュリティアップデートのみ継続の可能性
- 発売から2~3年:メジャーアップデート終了、セキュリティアップデートは継続
- 発売から2年以内:アップデート継続中の可能性が高い
ただし、これはあくまで目安であり、メーカーや機種によって大きく異なります。Google PixelやSamsungの最新機種のように、7年間のサポートを提供するモデルもあれば、2年程度でサポートが終了するモデルもあります。
自分の機種の発売日は、インターネットで「機種名 発売日」と検索すれば簡単に調べられます。
アップデート対象外のスマホを使い続けるリスク
アップデートができなくなったスマートフォンを使い続けると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
セキュリティ上の危険性
最も深刻な問題は、セキュリティリスクの増大です。
アップデートが提供されなくなると、新しく発見されたセキュリティの脆弱性(セキュリティホール)に対処できなくなります。悪意のある第三者がこれらの脆弱性を悪用すると、以下のような被害に遭う可能性があります。
- 個人情報の漏洩(連絡先、写真、メッセージなど)
- オンラインバンキングやクレジットカード情報の不正利用
- 端末の乗っ取りやマルウェア感染
- 位置情報の不正追跡
過去には、メッセージアプリで受信した動画を再生するだけで端末が乗っ取られる脆弱性や、メモリ破損により攻撃者が特権を昇格させて端末を侵害できる脆弱性などが発見されています。
これらの脆弱性は、セキュリティアップデートによって修正されますが、アップデート対象外の端末では修正されないまま残ってしまいます。
アプリが使えなくなる可能性
時間の経過とともに、対応アプリが減少していくという問題もあります。
多くのアプリ開発者は、最新のAndroid OSに合わせてアプリを開発・更新しています。古いバージョンのOSでは、新しいアプリがインストールできなかったり、既存のアプリが更新できなくなったりします。
特に以下のようなアプリで問題が起こりやすいです:
- 銀行やクレジットカードなどの金融系アプリ
- SNSアプリ(LINE、Instagram、Twitterなど)
- 動画配信サービス(YouTube、Netflix、Amazon Primeなど)
- ゲームアプリ
これらのアプリは定期的にセキュリティ強化や機能改善が行われるため、古いOSでは次第に利用できなくなっていきます。
新機能が利用できない
アップデート対象外になると、最新の便利な機能や改良が受けられません。
新しいバージョンのAndroidでは、プライバシー保護機能の強化、バッテリー管理の改善、カメラ機能の向上、UI(ユーザーインターフェース)の使いやすさ向上など、さまざまな改良が加えられています。
また、システム全体の動作速度や安定性も改善されることが多く、これらの恩恵を受けられないことは、日々の使用感に少しずつ影響していきます。
アップデート対象外スマホの安全な使い方と対処法

アップデート対象外になったスマートフォンでも、適切な対策を取れば、ある程度安全に使い続けることは可能です。
セキュリティ対策を強化する
アップデート対象外のスマートフォンを使い続ける場合、追加のセキュリティ対策が必須です。
以下の対策を実施しましょう:
信頼できるセキュリティアプリをインストールする
ウイルス対策や不正アプリ検出機能を持つセキュリティアプリを導入し、定期的にスキャンを実行します。
Google Play以外からアプリをインストールしない
不明なソースからのアプリインストールは、マルウェア感染のリスクが高まります。必ず公式のGoogle Playストアからのみアプリを入手しましょう。
怪しいWebサイトやリンクを開かない
フィッシング詐欺や不正なサイトへのアクセスを避けます。不審なメールのリンクはクリックしないよう注意が必要です。
公共Wi-Fiでの重要な操作を避ける
オンラインバンキングやクレジットカード情報の入力など、重要な操作は自宅の安全なネットワークで行うようにします。
用途を限定して使用する
セキュリティリスクを最小限に抑えるため、使用目的を限定するのも有効な方法です。
オフライン専用として活用する
インターネットに接続せず、音楽プレーヤーや電子書籍リーダー、ゲーム機として使用すれば、セキュリティリスクを大幅に減らせます。
Wi-Fi専用端末として利用する
モバイル回線を解約し、自宅のWi-Fi環境でのみ使用する方法もあります。この場合、外出先での利用は控えます。
子供向けの学習用デバイスにする
教育アプリや学習コンテンツの閲覧に限定し、金銭的な取引や個人情報の入力は行わないようにします。
サブ端末として最小限の利用にとどめる
メイン端末は最新のセキュリティが保たれた機種にし、古い端末は補助的な用途のみに使います。
買い替えを検討するタイミング
最も確実な対策は、新しい端末への買い替えです。以下のような状況になったら、買い替えを真剣に検討すべきタイミングといえます:
セキュリティパッチが6ヶ月以上更新されていない
半年以上セキュリティアップデートが提供されていない場合、新しい脆弱性に対して無防備な状態です。
必要なアプリが使えなくなった
銀行アプリやLINEなど、日常生活で必要なアプリが対応しなくなったら、買い替えのサインです。
動作が不安定になってきた
頻繁にアプリがクラッシュしたり、再起動を繰り返したりする場合、ハードウェアの寿命も近づいている可能性があります。
オンラインバンキングなど重要な用途に使っている
金融取引や個人情報を扱う用途でスマートフォンを使用している場合、セキュリティリスクは最小限に抑えるべきです。
まとめ
Androidスマートフォンのバージョンアップができなくなる理由と対策について解説してきました。
重要なポイント:
- Androidのアップデート提供期間はメーカーによって異なる
- 一般的に発売から2~3年でサポートが終了する機種が多い
- 設定画面やメーカー公式サイトで自分の機種の状況を確認できる
- アップデート対象外の端末はセキュリティリスクが高まる
- セキュリティ対策の強化や用途の限定で、ある程度安全に使える
- 金融取引など重要な用途には最新のサポートがある端末を使うべき
あなたのスマートフォンが現在どの状態にあるのか、この記事を参考に確認してみてください。
もしアップデート対象外になっている場合は、セキュリティリスクを理解した上で、適切な対策を講じるか、新しい端末への買い替えを検討することをおすすめします。
スマートフォンは日常生活に欠かせない道具だからこそ、安全に、安心して使い続けられる環境を整えることが大切です。

