Androidスマートフォンで撮影した写真や、ダウンロードした画像がギャラリーに表示されないトラブルは、多くのユーザーが経験する一般的な問題です。
この記事では、簡単な再起動から原因別の詳細な対処法まで、段階的に解決方法をご紹介します。まずは基本的な3つの対処法を試し、それでも解決しない場合は8つの原因別対処法を実践することで、ほとんどのケースで問題を解決できます。
写真が表示されない主な原因は以下の通りです。
- メディアスキャンの未完了
- アプリのキャッシュやデータの問題
- ストレージ容量の不足
- SDカードの認識エラー
- 特殊なファイル設定(.nomediaファイルなど)
それでは、実際の解決方法を見ていきましょう。
まず試したい!基本的な3つの対処法

問題が発生したら、まずはシンプルな方法から試すことが重要です。多くの場合、これらの基本的な対処法だけで問題が解決します。
端末の再起動
最も基本的ですが、非常に効果的な方法が端末の再起動です。
一時的なシステムエラーやメモリの問題は、再起動することでリセットされます。電源ボタンを長押しして「再起動」を選択し、端末が完全に再起動するまで待ちましょう。
再起動後、ギャラリーアプリを開いて写真が表示されるか確認してください。
ギャラリーアプリの再起動
端末全体の再起動が難しい場合は、ギャラリーアプリだけを再起動してみましょう。
アプリの履歴画面(最近使ったアプリ一覧)からギャラリーアプリを完全に終了させます。その後、再度ギャラリーアプリを起動することで、アプリ内の一時的な不具合が解消される可能性があります。
時間をおいて確認する
写真を撮影したり、ダウンロードした直後は、メディアスキャンが完了していないことがあります。
特に大量の写真を一度に追加した場合や、端末のストレージ容量が少ない場合は、スキャンに時間がかかります。数分から数十分待ってから再度確認してみてください。
原因別の詳細な対処法8選
基本的な対処法で解決しない場合は、以下の原因別対処法を順番に試していきましょう。
原因1:メディアスキャンが完了していない
Androidは新しい画像や動画を検出するために、メディアスキャンという処理を行います。このスキャンが正常に完了していないと、ギャラリーに写真が表示されません。
メディアスキャンを手動で実行する方法があります。端末を再起動するか、専用のメディアスキャンアプリを使用することで、強制的にスキャンを実行できます。
また、カメラアプリで新しい写真を1枚撮影することで、自動的にメディアスキャンがトリガーされることもあります。
原因2:ギャラリーアプリのキャッシュ・データ問題
アプリのキャッシュやデータが破損していると、正常に写真が表示されなくなります。
以下の手順でキャッシュとデータをクリアしましょう。
- 設定アプリを開く
- 「アプリ」または「アプリと通知」を選択
- ギャラリーアプリ(フォト、ギャラリーなど)を探して選択
- 「ストレージ」を選択
- 「キャッシュを削除」をタップ
- 問題が解決しない場合は「データを削除」も試す
注意点として、データを削除するとアプリの設定がリセットされますが、端末内の写真自体は削除されません。
原因3:.nomediaファイルが存在する
特定のフォルダに「.nomedia」という隠しファイルが存在すると、そのフォルダ内の画像はギャラリーに表示されません。
このファイルは、特定のフォルダの内容をギャラリーから隠すために使用されます。意図せずこのファイルが作成されている可能性があります。
ファイル管理アプリ(Files、ファイルマネージャーなど)を使用して、以下の手順で確認しましょう。
- ファイル管理アプリで隠しファイルを表示する設定にする
- 写真が保存されているフォルダ(DCIM/Cameraなど)を開く
- 「.nomedia」というファイルがあれば削除する
- 端末を再起動してギャラリーを確認
原因4:ストレージ容量の不足
ストレージ容量が極端に少ないと、システムが正常に動作せず、ギャラリーの更新ができなくなることがあります。
設定アプリから「ストレージ」を確認し、空き容量を確保しましょう。不要なアプリの削除、キャッシュのクリア、使わない写真や動画のバックアップと削除などを行います。
一般的に、スムーズな動作のためには最低でも1GB以上の空き容量を確保することが推奨されます。
原因5:SDカードの認識エラー
SDカードに写真を保存している場合、カードの認識エラーが原因の可能性があります。
以下の対処法を試してください。
- SDカードを一度取り外し、再度挿入する
- 端末の設定からSDカードをアンマウントし、再マウントする
- SDカードの接触部分を柔らかい布で拭く
- 別の端末でSDカードが認識されるか確認する
SDカードが物理的に故障している場合は、データの復旧が必要になることもあります。
原因6:ファイル形式の非対応
一部の特殊な画像形式はギャラリーアプリでサポートされていない場合があります。
| 一般的にサポートされる形式 | サポートされない可能性がある形式 |
|---|---|
| JPEG、PNG、GIF、WebP | RAW、TIFF、BMP(端末による) |
特殊な形式の画像を表示したい場合は、対応したビューアーアプリのインストールが必要です。
原因7:隠しファイル設定になっている
写真ファイル自体が隠しファイル属性になっていると、通常のギャラリーでは表示されません。
ファイル名がドット(.)で始まるファイルは、Androidでは隠しファイルとして扱われます。ファイル管理アプリで確認し、必要に応じてファイル名を変更しましょう。
原因8:アプリの不具合・バージョン問題
ギャラリーアプリ自体にバグや不具合がある場合もあります。
以下の対処法を試してください。
- アプリを最新バージョンにアップデートする
- Google Playストアでアプリの更新を確認
- アプリのアップデート履歴で最近の変更を確認
- 問題が報告されている場合は、修正版のリリースを待つ
システムアプリの場合は、アップデートの削除(初期バージョンに戻す)も選択肢の一つです。
それでも解決しない場合の最終手段

上記のすべての方法を試しても解決しない場合は、以下の最終手段を検討しましょう。
別のギャラリーアプリを使用する
標準のギャラリーアプリに問題がある場合、代替アプリを試すことで解決することがあります。
Google Playストアには多数のギャラリーアプリが公開されています。人気のある代替アプリをインストールして、写真が正常に表示されるか確認してみましょう。
代替アプリで写真が表示される場合は、元のギャラリーアプリに問題があることが確認できます。
ファイル管理アプリで直接確認する
ギャラリーアプリを経由せず、ファイル管理アプリで直接写真ファイルを確認する方法もあります。
内部ストレージの「DCIM」フォルダや「Pictures」フォルダ、SDカードの該当フォルダを開いて、写真ファイルが実際に存在するか確認しましょう。
ファイルが存在していれば、ギャラリーアプリ側の問題です。ファイルが存在しない場合は、削除されているか、保存場所が異なる可能性があります。
端末の初期化を検討する
すべての方法を試しても解決せず、システムレベルの深刻な問題が疑われる場合は、工場出荷状態への初期化を検討します。
ただし、初期化を行うとすべてのデータが消去されるため、必ず事前に以下のバックアップを取ってください。
- 写真や動画をクラウドストレージにバックアップ
- 連絡先やアプリデータのバックアップ
- 重要なファイルを外部ストレージにコピー
初期化後は、まず少数の写真で正常に動作するか確認してから、すべてのデータを復元することをおすすめします。
写真が表示されない問題を予防する方法
トラブルを未然に防ぐため、日頃から以下の習慣を心がけましょう。
定期的なバックアップ
定期的にバックアップを取ることで、万が一のトラブル時にも写真を失わずに済みます。
クラウドストレージサービス(Google フォト、Dropbox、OneDriveなど)を活用すれば、自動バックアップも可能です。Wi-Fi接続時に自動的にアップロードする設定にしておくと便利です。
また、重要な写真は複数の場所(クラウド+外付けハードディスクなど)に保存することで、より安全性が高まります。
ストレージ管理の習慣化
ストレージ容量を適切に管理することで、多くのトラブルを予防できます。
定期的に不要なファイルやアプリを削除し、十分な空き容量を確保しましょう。Androidの設定から「ストレージ」を開くと、何が容量を占めているか確認できます。
特に写真や動画は容量を多く使用するため、バックアップ後は古いものを削除する習慣をつけると良いでしょう。
アプリの定期更新
ギャラリーアプリやシステムを最新状態に保つことで、既知の不具合を回避できます。
Google Playストアの設定で、自動更新を有効にしておくことをおすすめします。また、Android OSのシステムアップデートも定期的に確認し、重要なセキュリティパッチや不具合修正を適用しましょう。
ただし、アップデート直後に新たな不具合が発生することもあるため、アップデート後は必ず動作確認を行ってください。
まとめ
Androidのギャラリーに写真が表示されない問題は、適切な対処法を実践すれば解決できるケースがほとんどです。
まずは再起動やアプリの再起動といった基本的な方法を試し、それでも解決しない場合は原因を特定して段階的に対処していきましょう。
本記事でご紹介した8つの原因別対処法は以下の通りです。
- メディアスキャンの問題
- キャッシュ・データの問題
- .nomediaファイルの存在
- ストレージ容量不足
- SDカードの認識エラー
- ファイル形式の非対応
- 隠しファイル設定
- アプリの不具合
日頃から定期的なバックアップとストレージ管理を心がけることで、トラブルを予防し、大切な写真を安全に保管できます。
それでも解決しない場合は、端末メーカーのサポートセンターに相談することも検討してください。

